大学以降の学習

大学以上の数学・物理の独学に役立つ無料サイトまとめ

最近youtubeやブログなどで無料で良質な学習コンテンツが増えてきてすごい時代になったなという風に思います。
かくいう私もその内の一人になろうと動画投稿や記事の投稿を始めてみて現在試行錯誤している段階です。

そこで現在既にあるようなことをやっていてはダメでこれからは、今までになかったようなものを世に送り出していくべきなのは当たり前ですが、現在この世にどれくらい素晴らしいものがあるのかを調査しておく必要があると思い、また集めておくと結局誰かのお役に立てる気がするので、無料で独学に役立ちそうなコンテンツを私が知っている限り並べてみました。

高校の範囲などは私がまとめるまでも無く、既にたくさんあるため、ここでは大学以上の物理と数学に関するコンテンツに絞って紹介したいと思います。

田崎晴明さんの数学の本

見出しをリンクにしていますが、一応ここにも載せておきます。田崎さんは学習院大学所属の統計力学を専門とされている物理学者です。物理学者とはいえ研究内容は統計力学の数理的な側面が強く、いわゆる数理物理と言われる分野です。

物理学者で数理物理されている方は数学にも真摯な方が多く、田崎さんも物理学を学ぶ上で必要な数学を勉強するための教科書というものをおそらく作りたいのではないでしょうか。

というのも現状大学で学ぶ数学というのは、少なくとも理工系に限れば数学者の書いた本または授業を聞いて学ぶのが殆どです。

こういう状況では本当は物理をメインに学びたい学生にとって、最適な環境とは言えないのではないでしょうか。実際に田崎さんがそのように考えているのかはわかりませんが、田崎さんの数学の本の存在意義は数学を本業とする学生よりも、物理に重きを置いている学生にとってより大きいのは明らかでしょう。

実際に田崎さんのホームページに行くとこのような言葉が書かれています。

「物理をやりたくて大学に入ったのに、どうしてこんなに数学をやるんだ」という声を、毎年のように大学一年生から聞く。 われわれの答は、決まっている。 「必要だから。」

これは物理をやる学生へのメッセージと取れますが、実際にこの本は記述が大変丁寧で省略されていることがないというのが素晴らしい点なので良くある物理向けの数学の本とは一線を画しています。数学を専門に学びたいという人も一度目を通すことをお勧めします。

物理向けの数学の本となれば、数学的な厳密性よりも直感的記述を優先しがちですがこの本に関しては心配ないでしょう。このレベルの本が無料で読めるとは本当に驚くべきことだと思います。

しかも教科書として出版も決まっているようですね。いつになるのか楽しみです。やはり印刷されたものでないと読みづらいというのもあるし、なんと出版後も無料公開は続けていただけるようです。これはありがたいですね。

また田崎さんは以下に挙げた統計力学などの本も出稿されています。こちらは書籍として以下のリンクから購入できます。どれも今までの物理の統計力学とは違い数学的にもしっかりとした記述がなされているのが特徴です。

私も熱力学と統計力学は大学2年の頃から大学3年にかけてこの本で一通り勉強したので大変お世話になっています。

最後に挙げた相転移と臨海現象の数理は比較的最近出版されたより専門的な内容の本となっています。本格的に統計力学の数理の世界を進路に選ぶなら使う数学はそこまで高度ではないので、早い段階で一度読んでみると良いのではないでしょうか。

EMANの物理学

続いてはEMANの物理学です。このサイトも私が主に大学1、2年のころにお世話になったところで、物理の教科書でわからないことがあってもここに行けばあるといった経験を何度かしました。特に平易に書くことを得意とされていて人に簡単に説明するのがきっと上手い人なんだろうなと思い、私も参考にしなければと思いつつ、難しいと日々感じています。(だから本当にすごい)

こちらは田崎さんの本とは違って物理中心というか物理をわかりやすく理解するための物理のページなので、数学的厳密さとかにこだわると物理が出来なくなるのは当たり前です。

こちらの広江さんの本は私は読んだことがないので、残念ながら書評は書けませんし一部紹介だけしておきますが、他にも本を出していらっしゃいます。

ときわ台学

こちらも先ほどのEMANと毛色は似ていてできるだけ平易にわかりやすくを目指して作られたということです。個人的には数学も結構詳しいのが嬉しいところです。

特に大学1、2年のころに線型代数に苦しめられていたころに助けてもらった記憶があります。

物理はEMANに数学はときわ台学に検索していると、当たることが多かった気がします。それだけ皆助けられていたのだと思います。

ファインマン物理学

あのファインマンダイアグラムで有名なというかむしろ、今は多分ファインマン物理学の方が広く人口に膾炙しているのかもしれません。物理学者Feynmanのカリフォルニア工科大学での学部一年生向けの講義をそのままノートにし、Feymanese(Feynman語)を修正、編集したものが教科書になっています。これを私は全巻持っているのですが、なんと英語版ではあるものの無料で読めるようになったということです。田崎さんの教科書が無料で読めるのはもちろん驚きですが、Feynmanのもともと教科書として販売していたものが無料で読めるようになったのは本当に素晴らしいことだと思います。

特に私は、大学一年の時にIの力学とIIIの電磁気学を勉強して本当に物理を楽しみながら勉強できました。この教科書の特徴は何と言ってもFeynmanの語り口です。生きた言葉がそこに活字となってあるわけで、どういう風に一流の物理学者がこの世を見ているのか、物理現象を捉えているのかといったことが感じられる名著です。

中でもIの力学は高校生の方にもお勧めできるというか、自分が高校の時に出会っていればという内容でした。初学者にとっては確かに難しいかもしれませんが高校物理が理解出来れば十分読める内容だと思います。

当然他の教科書では味わえない臨場感や、よくある問題でもFeynman独自のやり方で解いていたり物理をこれから学び始める人に是非ともお勧めしたい本のひとつです。

というか物理をこれから学び始める大学生がいれば、数学は田崎さんの本で、物理はこのファインマン物理学で学べば、最初の1年くらいは教科書にお金をあまりかけずに勉強が出来ます。

IIIの電磁気学は、一番Feynmanの個性が出ていないと評されることも少なく無いですが、そんなこともないと思いますし自信を持ってお勧めします。私が一番真剣に読んだのがこの電磁気学です。読みやすいし、どんどん頭に入って来ます。

壱大整域

こちらは「選択公理ちゃんマジ公理」で有名なalg-d氏の選択公理解説サイトです。
選択公理だけではなく、圏論や整数論のコンテンツが整備されていてアマチュア数学徒とおっしゃっていますが、内容はかなり本格的です。特に選択公理に関する内容はかなりマニアックですが、圏論については初心者にも配慮した内容になっているため参考になります。特に具体例とかが私には参考になりました。

相転移プロダクション

このサイトは現代数学観光ツアーとして無料でメルマガを配信されていて数学や物理の学習支援活動をされている方です。

この現代数学観光ツアーというのは個人的にはすごく面白い企画だと思っていて、自分の数学的な視点をどういう風に見せればいいかという点で工夫に溢れていると感じました。ちなみに私もメルマガには登録しています。また何がどこにあってどういう経路を辿れば早く着くかを導いてあげたいと思うのが、先を知る教育者のあるべき姿だと思うのでその活動内容には共感します。実際はお話的な書き方をしているのものの、本格的な数学の話にも入りやすい様に上手くバランスのとれた書き方をしていると感じます。

ご本人が学部は物理で、修士は数学で出ている方でしかも今はアカデミックではない立場で裾野を広げる活動をしておられるということで、私が勝手に少しだけ親近感を覚えているのもあります。

この方は解析が専門だったということで現代数学観光ツアーも、解析を中心に様々な分野に展開できるように作られたコンテンツになっています。私は幾何学が専門だったので、また少し違った見え方、表現の仕方で数学の分野を紹介するコンテンツが提供できればいいなという風に考えています。

最後にこの方の著書のリンクを貼っておきます。メルマガに登録すれば現代数学観光ツアーは読むことができます。

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

こちらは私が活動を始めてから知ったのですが、大学レベルの授業動画で成功を収めているyoutuberの方です。ヨビノリという呼びやすさから最近影響力が大きくなってきている方で、作っているコンテンツもかなり面白く、高校生にもわかりやすい予備校のノリというスタイルの授業動画が人気となっています。

大学の授業は、わかりやすいとは言えないと批判するだけではなく、じゃあ自分でわかりやすい授業動画を作り配信しよう。となる行動力は私も見習いたいものです。

今までYoutubeの動画は将棋ゲームの実況動画くらいしか見なかった私でも、一度見ると動画ならではのユーモアとわかりやすさ重視の講義は確かに高校生にも受けるわけだと納得できます。今時やはり高校生からの人気を取り付けたら勝ちみたいなところはありますよね。いや無いか。。

実際私がyoutubeに動画をあげる様になったきっかけはヨビノリさんによるところが大きいので、知ったのは最近ですが影響は大いに受けていると思います。

数理ビデオアーカイブス

最後に紹介するのは、東大の数理科学研究科の談話会や講演会などの撮影記録です。ここに来て日本最高学府の動画コンテンツか確かに素晴らしいだろうが、難しいのだろうとブラウザバックしようとしたそこのあなた、お待ちください。

結構高校生向けの動画も多く、オープンキャンパスにおける講義も紹介されています。

もちろん個人的には、大学院レベルの研究集会のビデオが無料で見られるのはありがたいし、非常に価値のあることだと思っています。

特に個人的な興味が大きいのは毎年夏に駒場の数理科学研究科で行われているSummer School 数理物理ですね。限定公開なので埋め込みませんが、すごいコンテンツが並んでると思います。専門的すぎる動画のため再生回数が少ないのが、残念ですがこの動画が無料で見られるというのは信じられません。ちなみに参加は有料(3000円)です。

まだまだ役に立つ独学用のサイトはたくさんありますが、今回は以上とさせていただきます。

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